手足口病の大人の症状と治療法は?
「手足口病(てあしくちびょう)」子育てをした人なら
ピンとくる病名ですが、知らない人にとっては何?となる病名ですね。
字面でいうと手と足と口の病気ですから、
整形なのか歯科なのかはたまた口腔外科の病気なのかと思っちゃいますよね。
小児の夏風邪といえばわかりやすいでしょうか。
最近、その手足口病が大人にも感染することが増えているようです。
手足口病とは?
その名の通り症状として、
口の痛み、よだれ、食欲低下、手足の発疹がみられるのが特徴です。
発疹は3〜5mmの丘疹性紅斑(盛り上がって赤く腫れる)に
2〜3mmの楕円形の水疱を伴い、
手のひらや手の甲、足の底、足の甲、膝小僧、お尻などに現れます。
熱は急に38℃台まで上がることもあります。
手足口病の原因はウイルスです。
コクサッキーウイルスA‐16、
A‐10、エンテロウイルス71などが主な原因です。
これらのウイルスは夏風邪のウイルスの仲間とされています。
感染の経路は、飛沫、接触で潜伏期間は3〜6日間といわれています。
[関連記事]風疹と手足口病の違いや症状、治療法は?
手足口病と似た病気
この手足口病に似たものとして、
水疱瘡、ヘルペス、ヘルパンギーナ、ヘルペス性口内炎等がありますが、次のような違いがあります
水疱瘡−水疱瘡の発疹は体幹中心に水疱は化膿する
ヘルペス−ヘルペスは発疹が局所に集まり、左右対称になる
ヘルパンギーナ−発疹の出る場所が異なる
ヘルペス性口内炎等−発疹の色が異なる、
歯肉の腫れはない
大人もかかる手足口病
手足口病は約90%が小児のかかる病気です。
しかし、残りの約10%は大人でもかかります。
そして大人の場合は小児より症状が重たくなる傾向があります。
ここ数年、大人の罹患率が高まっています。
また、その年で流行があるようで、
2011年と今年の2015年には他の年の10倍近い患者数となっています。
流行の情報を早めに入手して対策をした方が良いでしょう。
手足口病の症状、大人は重症化しやすい?
小児の手足口病と同じように手・足・口の発疹をはじめ、
頭痛や筋肉痛、節々の痛み、強いだるさなどといった症状が生じます。
このように大人の手足口病は、
小児とは比べ物にならないほど重症となる例があります。
まず熱ですが、小児の場合38度くらいのものですが、
大人の場合約3割の方が40度近い高熱となります。
また、指先に発疹やかゆみが出て、
1〜2ヶ月後に爪が剥がれてしまうことも。
妊娠中の女性はより注意を
妊娠中は免疫機能が弱まっていますので注意が必要です。
妊婦が感染した小児の面倒を見るケースも少なくないと思いますので、
感染しないように特に注意しましょう。
妊娠初期に対して出産間近な場合は、
胎児に感染するという報告もあります。
このほか免疫系に疾患がある大人は妊婦同様により注意が必要です。
手足口病の治療
手足口病には治療薬や予防薬というのはありません。
したがって治療方法は対処療法となります。
そして自然に治るのを待つことになります。
高熱に対しては解熱剤、口内症状にはイソジンうがい薬、
口内炎の軟膏の使用、手足の水疱や強いかゆみには抗ヒスタミン薬、といったようになります。
高熱で脱水を起こしている、
食事が十分にとれない場合は点滴を行う必要もあるでしょう。
手足口病の感染の経路
先に述べたように、手足口病はウイルスによって発症します。
感染経路は咳やクシャミによる飛沫感染、
手や物品(食器や日用品等)についたウイルスによる接触感染です。
感染を広げないようにするためには、マスクの使用、
こまめな手洗いを基本として、インフルエンザやノロウイルスと同様な対応をしていくことが必要です。
特に手足口病は糞口感染ということで、
感染者の排泄物にウイルスが含まれていますので
子供おむつ替え時の注意やトイレ周りの備品・設備等の消毒は念入りに行うことがポイントです。
まとめ
最近増加傾向にある、
大人の手足口病はウイルスによって感染を広げますから、
まず仕事を休んで感染を広げない。
初期に手を打って重症化させない。子供の病気と思って侮らない。
そして手足口病には特効薬はありませんので
自然に病気を治す機能である免疫力を高めておくことが大切です。
免疫力が下がる、寝不足、
過度な飲酒、喫煙、長時間労働にも注意していきましょう。